首こり•頚椎症•頚椎ヘルニアに自分で「首ボキッ」大丈夫?
首こり•頚椎症•頚椎ヘルニアの方たちは、
かなりの割合で首に負担をかける変なクセや動きをしていることが多いです。
こんなことしてないですか?
毎日のデスクワーク、長時間のパソコン作業で・・・
あ〜、首こったぁ〜。
あ〜、肩こったぁ〜。
そしておもむろに首を捻って、
片手を顎にもう片方の手を後頭部に。
何をするんだ!と思いきや、
「バキッ!ボキッ!」
と、プロのカイロプラクター•整体師顔負けの矯正⁈
あ〜スッキリした^^
という顔で再びデスクワークへ。
ちょっと待ってください!
実はこれ非常に危険なんです。
首のボキボキは危険?
整体やカイロプラクティックで行う技術には首を矯正する時に、
結果として「ボキッ」となることはあります。
決して「ボキッ」と言う音を鳴らすために行うわけでわありません。
そして、このような頚椎の矯正(アジャスト)は、
人体の構造を熟知した上で、修練を重ね行うことができる「技術」です。
例えばアメリカでは国家資格になっているカイロプラクティック。
その資格を取るには専門の大学に6年通い、ドクターと同レベルの国家試験を合格することで、カイロドクターになれます。
そんなアメリカでも、頚椎の矯正による事故が起こります。
アメリカ現地の学会においても次のような報告がなされています。
以下、私の鍼灸の師匠である「こまつ鍼灸院HP」より引用。
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「1992年、Stanford Stroke Centerの研究者は、アメリカ神経学会のメンバー486名に対し、過去2年間でカイロプラクターの施術後24時間以内に脳卒中を起こした症例を何人診たかを調査した。
この調査はアメリカ心臓協会が後援した。 177名の神経専門医が21歳から60歳までの55名の患者を報告した。
このうち1名が死亡、48名が不明瞭な発音、構文障害、めまいなどの恒久的な神経障害を生じた。
卒中の主因は椎骨動脈壁が裂けたためと考えられた。 1925年から1997年までに発行された論文116編を調べた総説によると、頸部の徒手操作に伴う頸部損傷177例の少なくとも60%はカイロプラクターによってなされたものであった。」
実際に首を「ボキッ」としても、大きな事故になるのは10万人に1人です。
ただ45歳未満で脳卒中になった人は1週間以内にカイロプラクティックで首を「ボキッ」と矯正された人が、されていない人に比べて5倍にも上ったようです。
どうですか?
これを見たら自分で首を「ボキッ」とする危険性が分かっていただけたと思います。
プロが行ってもリスクがある矯正。
素人のあなたがやればどうなるかはわかりますよね。
そもそも何で骨・関節が鳴る?
これには諸説あるのですが、一番有力なのは、
関節内にできた気泡が弾ける時にボキッという音が鳴ると言われています。
関節に物理的な力が加わったとき、内部では滑液の流れの中で真空に近い部位が出来る。
そして小さな気泡が多数生じ、それらがはじけて大きな音が出る。『wikipedia』
この現象はキャビテーションと言われていて、
船のスクリューなどでも起こっているようです。
水中で高速回転をすることにより「気泡が生じ、弾ける」
ということが起こっています。
関節内で気泡が弾けることにより、そこで生じた衝撃波が軟骨を刺激して、
関節が太くなっていきます。
つまり頚椎の関節に変形が起こりやすくなる・・・
とも考えられますね。
他にも、関節を動かした時に、
「ゴリッ」や「ジョリッ」という音がなることがあります。
「ゴリッ」は関節に付着している腱が擦れる時に音を出しています。
「ジョリッ」変形が強い関節で、骨と骨が擦れ合っている時に起こるようです。
頚椎の変形、歪みをトコトン強くしていきます
脳卒中、怖いですよね。
ここで頚椎症•頚椎ヘルニアに関係あることを書いていきます。
「首ボキ」を日常的に行うと、上記しましたように頚椎の歪みが強くなるのはもちろん、
頚椎の変形を強くしていきます。
当院に通院されている方でも、「ついボキッてやってしまうんですよ〜」という方が数名いらっしゃいます。
せっかく調整しても、即歪みを作ってしまうんですね(苦笑
そのような方々は、そのクセ(首ボキ)をやめてもらわねば、
なかなか完治しません。
現在、首こり•頚椎症•頚椎ヘルニアで整体治療を受けている方は、
自分で行う首の「ボキッ」は絶対しないようにしてくださいね。
脳卒中に頚椎の変形•歪みが出てしまう。
いいこと全くありませんから。
どうしても「ボキッ」としたくなったら
「ボキッと関節を鳴らすと、痛みやコリが楽になるんです。」
ともうクセになってやめられない方も多いのでは?
なぜクセになるかというと、
気泡が弾けることで、周りの筋肉が刺激されてスッキリする。
などでしょう。
これを繰り返すことで、「ボキッ」とやらないとムズムズしていてもたってもいられない!となってしまっているようです。
そんな衝動にかられたら、
⒈ボキッとしたい関節をじんわり・ゆっくりストレッチする。
⒉つねる
をしてみてください。
⒈のストレッチは、関節の筋肉・腱・靭帯が伸ばされることで、
そこにある受容器から脳へ刺激が伝わり『まぎれます』
⒉の「つねる」は私の友人の整体師がブログに書いてあった方法です。
これも『まぎれます』(笑
これらの方法で紛らわしていくと、
徐々に「ボキッとしなくてもいいか〜」となっていきますよ。
是非おためしくださいね。